2014年に産駒がデビューする期待の新種牡馬の紹介。日本馬は、ヴァーミリアン、カネヒキリ、キンシャサノキセキ、ローレルゲレイロの4頭を、輸入種牡馬は、ハービンジャー、エンパイアメーカー、バトルプランの3頭を取り上げる。

■ヴァーミリアン　DP=9-0-17-6-0(32)　DI=1.21　CD=0.38

日本競馬史上最多となる、GI、Jpn1を9勝という記録を残した名馬。ダート競馬の歴史を塗り替えたと言っていい。2歳のラジオたんぱ杯から8歳の川崎記念まで毎年重賞を勝ち続け、長く競馬ファンの期待に応え続けた。
早世したエルコンドルパサーの仔として大きな期待がかかる。ダートで活躍したが、血統的には芝もいけそうだ。2012年生まれの血統登録済み産駒は119頭と多い。

■カネヒキリ　DP=8-0-8-0-6(22)　DI=1.20　CD=0.18

2年の休み明けでジャパンカップダートを勝ったのが印象的だった、ダートの名馬。GI、Jpn1は7勝。スピードも勝負根性も素晴らしかったが怪我も多く、無事ならいくつGI、Jpn1を勝てただろうと思うと少し残念な面もある。
サンデーサイレンス系フジキセキの仔。父もまだ種牡馬として活躍中だが、最良産駒として後継を狙う。脚もとの弱さが遺伝しないことを祈りたい。
2012年生まれの血統登録済み産駒は99頭。

■キンシャサノキセキ　DP=4-8-15-0-7(34)　DI=1.34　CD=0.06

高松宮記念を2勝2着1回、スプリンターズSを2着2回と、素晴らしいスピードでスプリント戦線を湧かせた。8歳で引退するまで、長く活躍を続けた名スプリンターだった。
カネヒキリと同様にサンデーサイレンス系フジキセキの仔だが、フジキセキがシャトル種牡馬としてオーストラリアで種付けして生まれた産駒。現役時代は大きな怪我もなく、長く活躍を続けた。そうした強さが伝わると面白い。
2012年生まれの血統登録済み産駒は91頭。

■ローレルゲレイロ　DP=3-1-13-1-0(18)　DI=1.40　CD=0.33

高松宮記念とスプリンターズSを同年に勝ち、2009年度JRA賞最優秀短距離馬に選ばれた。逃げ切り勝ちだった2つのG1も素晴らしかったが、スズカフェニックスの猛追を抑えた前年の阪急杯が印象的だった。
ダンシングブレーヴの直仔キングへイローの仔。父もまだ種牡馬として活躍中だが、牡馬の最良産駒として父系を繋げていくことを期待されている。
2012年生まれの血統登録済み産駒は21頭とちょっと少なめだ。

■ハービンジャー　DP=2-2-8-2-0(14)　DI=1.33　CD=0.29

4歳時にキングジョージを大差で圧勝した名馬。先も期待されたが怪我で引退。社台グループに売却されて、社台スタリオンステーションで種牡馬入りした。
Northern Dancer系Dansiliの仔。日本で1シーズンだけ供用されたデインヒルの孫にあたる。デインヒルは世界中で活躍馬を出したが、日本での成績は今ひとつだった。そうした評価を覆し、日本でのデインヒル系を伸ばしていけるかはこの馬にかかっている。
2012年生まれの血統登録済み産駒は146頭。シーザリオ、ダイワスカーレット、ダンスインザムードの仔など、名牝の産駒も多く、期待は非常に高い。

■エンパイアメーカー　DP=18-15-13-0-6(52)　DI=3.16　CD=0.75

ベルモントS、ウッドメモリアルS、フロリダダービーと、アメリカでG1を3勝。引退後はアメリカで種牡馬入りしG1馬も出している。アメリカで供用されていた時の持ち込み馬に、重賞を勝ったフェデラリストがいる。日本では2011年から供用を開始。
Mr. Prospector系Unbridledの仔。DP値52と、欧米主流血脈が血統表に並ぶ。アメリカ馬らしいスピードが伝わると面白い。
2012年生まれの血統登録済み産駒は164頭。多くの産駒の中から活躍馬が出ても何の不思議もない。

■バトルプラン　DP=12-7-11-0-2(32)　DI=3.27　CD=0.84

戦績はG2を1勝した程度だが、良血を買われて種牡馬入り。母Flandersは1994年のEclipse賞2歳牝馬を獲った名牝。サンタアニタオークスなどG1を3勝したSurfsideはバトルプランの姉にあたる。
エンパイアメーカーと同様にMr. Prospector系Unbridledの仔。2012年生まれの血統登録済み産駒は40頭とそれほど多くはないが、良血が上手く伝われば、素晴らしいスピードを持った産駒が出るかもしれない。

その他にも、アドマイヤオーラ、スーパーホーネット、ゴスホークケンなどの産駒も今年デビューする。

※血統登録済み産駒はジャパン・スタッドブック・インターナショナルのHPから。2014年4月2日の数字。