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2012.08.26

ドラゴンクエスト10の感想など

ドラゴンクエスト10。発売から約3週間。月額課金も始まり、ちょっと落ち着いてきたので、この辺でひとまず感想を。



遅延やメンテナンスなどで苦情も出ているようだけど、それはあまりにネットワークゲームというものを知らなすぎというべき。ネットワークゲームのスタート直後としては、おそらくもっとも良い部類に入る安定度だ。この程度のトラブルで文句を言うようでは、他のMMORPG(Massively Multiplayer Online RolePlaying Game)を遊ぶことはできない。もっとも、それだけ初MMOというユーザーが多いということだろう。

全体的に内容はかなり薄めという印象を受ける。クエストは少なく、基本的には一本道。とくに苦しいのがレベル上げ。ただひたすらレベルを上げるために敵を倒すということになる。せめて、レベル上げを楽しめるようなクエストをもっと入れるべきだ。他のMMOでよくあるような「○○というモンスターを倒してこい」というクエストがあるだけでも、戦闘へのモティベーションに繋がると思う。戦闘以外のクエストをクリアしても経験値をくれないというのも、レベル上げが単調になる要因と言える。

特定の狩り場へのプレイヤーの集中が惨いことになっている。オルフェアのトンブレロ、カミハルムイのピンクモーモンあたりは、まともに狩りができるような状態ではないくらいに混んでいる。原因は単純なことで、どんなにプレイヤーキャラのレベルが上がっても、敵がくれる経験値が変わらないからだ。レベル40になってもトンブレロは132の経験値をくれるわけで、これでは他の狩り場でレベル上げをしようという気が起きないのも分かる。システム的には、レベルアップ必要経験値の増加で対応しているということになるだろうが(それがドラクエのシステムだということも分かっているが)、弱い敵からは経験値が得られないというシステムにしない限り、これは解決が難しい。

ちなみにトンブレロは実はそんなに美味しくない。HP173で経験値132(ソロの場合)なので、ソロで2ターン必殺というのならともかく、3ターンも4ターンもかかるようなら、他に美味しい敵はいくらでもいる。もっとも、トンブレロやピンクモーモンが人気なのは、場所的なメリットもあるとは思うが。俺も一時期はレベル上げをトンブレロでやっていたけど、今はサブ職業の序盤レベル上げをするためにちょっとやるくらいだ。攻略系のHPや2chなどの情報を鵜呑みにせず、色々な場所で敵を倒してみて、効率を考えてみるというのが面白いと思う。倒すのに時間が掛からないけどそれなりに経験値をくれるという敵や、経験値はそこそこだけど戦いが面白いとか、ストレスを溜めないレベル上げ方法を模索する必要がある。

戦闘はドラクエの流れをくんだコマンド選択方式。押し相撲との批判もあるが、位置取りを考えるという要素が加わったことは良かったんじゃないかと思う。ただ、戦闘でやることはあまり多くない。ピオリムだボミエだMP回復だと、やることが多い方の盗賊をやってる俺が単調と思うのだから、特に前衛職なんかは暇に感じるだろう。この辺はスキル、特技、魔法などのバラエティが増えてこないことにはなんとも代わり映えしないかもしれない。

アイテム類はドラクエらしい、なじみの深いものが並ぶ。しかし、装備のラインナップの少なさは致命的だ。装備類は、レベル1、7、14、21、28、35、50で買い換えていくことになるが、序盤は2種類程度、中盤以降でも2,3種類の中から選ぶことになる。スキルや職業によって武器、防具が変わるので、選択肢が多いように見えるが、実際のところ、同じ職業で、同じレベル帯のキャラが集まったら、たいてい同じ格好をしているということになる。色も変えられないし、(必要かどうかはともかく)装備に個性を出すことは不可能だ。ドラクエらしさにこだわらず、どんどん装備類は追加して欲しいところだ。

サポートキャラのシステムは素晴らしい出来だと思う。MMORPGなんだから一人でやりたい奴はコンシューマーゲームやれ、というのはよく分かる話だが、時間的な都合で一人でしか遊べないという場合もあるし、常に誰かと一緒に遊ばないと進めないというのでは息が詰まることもあるだろう。一人でも楽しい、でもみんなで遊ぶともっと楽しい、というのが理想のMMORPGだと思う。現状は一人で遊んでる人の方が多いと思われるが、今後はパーティーを組めばもっと楽しめるというコンテンツも出てくるだろうと思う。

職人システム、いわゆる生産系のコンテンツはなかなか充実していて、面白い。先ほど書いたとおり、現状はアイテムの種類も少なく、作れるものもたかがしれているが、種類が増えればもっと面白くなるとは思う。生産で儲かるようになるともっといいんだろうが、もはや生産物で儲けるというのはちょっと難しくなっている。それは、先行者有利になってしまっていることと、市場の問題だ。

生産が先行者有利というのはMMORPGでは至極当然なことで、これはある意味仕方のないところ。ただ、先ほど書いたとおり、生産レシピの数が非常に少なく、また、レアなレシピを手に入れる手段がほぼ戦闘に限られていることに問題はある。もちろんレシピを増やして欲しいところだが、例えば、同じ武器職人でも得意な系統を選択できるとか、あるいは生産物の品質レベルをもっと細かくするとか、生産の体系がもっと複雑になれば、一握りの先行者だけが儲かるという仕組みの改善は多少なりとも可能かもしれない。

市場の問題は、問題とも言えない話だが、安売りが極まって、市場としての機能を失いかけている。例えば、ある物をみんなが100Gで出品している。あなたが出品するときにいくらをつけるか? 99G、98Gと付けて、少しでも早く売りたいという気持ちは分かる。しかしこれは長い目で見れば自分のクビを締めているようなもの。みんなが100Gで出品していて、それなりに売れているのであれば、そこは100Gをキープしていかないと、不毛な安売り合戦になるだけだ。これは社会に出ている人間なら大抵分かることだが、安売りが加熱した結果は何も残らないというのが市場の原則だ。ちなみに現状では、☆2つの武器を作っても、市場に出すより、NPCの店に売った方が儲かるという状況になっている。名声システムの弊害もあるかもしれないので一概には言えないが、安売りのメリットは早く売れるというだけで、長い目で見れば大した得にはならないものだ。

以上ダラダラと書いてきたが、現状では合格点ではないだろうかと思う。開始から3週間程度で言うのはちょっと早い気もするが、今後はコンテンツの充実が鍵となってくるだろう。