« | »

2011.07.28

Facebookは第2の「馬鹿発見器」となるか?

ソーシャルメディアブームと、最近の騒動について、思うことをちょっと書いてみた。


■Twitterは馬鹿発見器?

Twitterでの騒動が後を絶たない。最近ではなでしこジャパンの熊谷の件が大騒動になったが、カンニングしただの、万引きしただのをツイートして、報道にまで及ぶケースは日々後を絶たない。

ここ何日かの騒動
日大の男子学生「俺はカンニングのプロ」 ツイッターで呟いてネット騒然!!!
飲酒運転を“つぶやき”3カ月の停学 福岡大生
「滅多に入れないホニャララ室にご案内」現役航空管制官が軽率ツアー ツイッターで呼びかけ

2chではよく、Twitterを「馬鹿発見器」と言うが、続々と騒動が起き続ける現状は、まさにその通りと言わざるを得ないだろう。

ちなみに、ひとたび騒動になってしまえば、本名を登録していなくても、名前はおろか、顔写真まで2chにアップされてしまうことがよくある。仮に事件性はなくても、その一言が人生を狂わせてしまうということになり得る。

同様な騒動はmixiでもよく起こっているし、2chでは犯罪予告で捕まるといった事件もまだまだ多い。

こうした事件や騒動は、ネットの「匿名性」をよく理解していないから起こる。

■ネットの世界に完全な匿名はない

「2chは匿名掲示板」と言われることがあるが、それは正しくない。たしかに書き込んで名前が載るわけではないが、それは表面上、利用者同士だけの話。実際は、どのプロバイダを経由して、どのIPアドレスが書き込んだ、といったホスト情報は記録されている。

したがって、犯罪予告などの事件が起きれば、警察にそれらの情報が渡り、どのパソコンから書き込まれたのかが特定され、逮捕されることになる。ネットカフェから書き込まれても、パソコンが特定されれば、会員証の情報や防犯カメラの画像から人物を特定することは可能だ。

2chで事件が後を絶たないのは、こうした基本的なことを知らず、その板のノリで過激なことやあるいは犯罪的なことを書き込んでしまうことがそのほとんどの原因と言えるだろう。

2chに限らず、ネット上で何かを書き込む、アップロードするなどのあらゆる行為は、「必ずその痕跡が残り、そして特定することが可能だ」くらいに考えておいた方がいい。

■ソーシャルメディアの匿名性

Twitter、mixi、greeなどはすでに巨大ソーシャルメディアとなっているが、最近では日本でもFacebookが流行の兆しを見せている。

完全に実名のFacebookやGoogle+などはさておき、その他のソーシャルメディアも、たとえ本名を登録しなくても「実名で出ているようなもの」と言って良い。

ニックネームが本人を想像させないようなものであっても、書き込みやフレンドの顔ぶれから、その人の性別、年齢、職業はある程度推測できる。まったくそうした情報を明かさないように気を付けていても、他の人の書き込みから類推されることもあるだろう。

せめて信頼できるフレンドだけに発言や書き込みを公開するように制限していれば、騒動に繋がることは少ないだろうが、例えばTwitpicのような外部サイトまでは制限をかけることはできない。どんなに注意しても、特定される可能性は常にある。

Twitterやmixiのような、一見匿名だと思わせるようなソーシャルメディアこそ危険が一杯なのだ。リツイートやコメントが自分の知ってる人からしか付かないからといって、他の人が見ていないとは限らない。それを忘れて、迂闊な発言をしてしまい、大騒動に発展してしまうというのが、最近の騒動の流れとなっているのだ。

■ソーシャルメディアを如何にして使うべきか

ユーザー発信の情報をメディア化したものが「ソーシャルメディア」と呼ばれるが、そういう意味では2chなどの掲示板もソーシャルメディアの原型と言っていい。1つの図を下に示す。

「匿名性」に付いてはこれまで書いたとおり。Twitterやmixiなどは、匿名(と言われる)掲示板と実名ソーシャルメディアの中間にある。この中途半端なところが、ユーザーに油断を生ませる。

「信憑性」は、発信される情報に対するものだ。実名で発信される情報は一般的に信憑性が高いと考えて良いだろうし、そうでないとしても、それまでにその人が発信してきた情報を見ることで、その信憑性を判断することは可能だ。

例えば、あまり親しくない人と宗教や政治の話をすることは少ないと思う。顔を合せての会話は色々と制限やタブーが存在する。そういう意味では、実名のソーシャルメディアでは話題の「多様性」が低めになる。2chでは平気で議論されるような世の中の悪意の部分も、ソーシャルでは取り上げづらい。

こうした特徴をよく理解した上で、情報を発信する、あるいは他の人の情報を活用することが重要となる。

■Facebookはメディアの価値を一変させる

Facebookを何に使うか分からないという声をよく耳にする。Google+も同様だが、実名ソーシャルメディアの利点は、「情報の信憑性が高い」ことにある。

例えば、テレビなどで「ここのラーメンが美味しい」といった情報が流れても、それが宣伝なのか事実なのか分からない。大抵メディアの勧めるものは宣伝だし、最近の視聴者は簡単には騙されない。

ではどういった情報なら信用できるか。それは、自分が知っている人からの情報、つまり「クチコミ」だ。それも信用できる友人の言葉なら、自分にとっての信憑性も高いだろう。

先ほどの例えで言えば、テレビではなく、自分の友人が美味いと言っていたラーメン屋なら、行ってみようかなという気になる。

さらに、自分が「いいね!」やコメントを付けることによって、他の友達に情報を伝える。つまりFacebookは、「クチコミ」のプラットフォームとしての用途に適していると言えるのではないだろうか。

遅くなったが、タイトルの「Facebookは第2の馬鹿発見器となるか?」の回答は「Yes」でもあり「No」でもある。実名だけに犯罪性のあることを書き込んだりはしないだろうが、1時間おきにくだらない書き込みをしていれば、上司から「お前仕事してないだろ」と言われることにはなる。使いようであることは、ハサミもWebサービスも同じことだ。

対面での話と同様に、深い、重い話をするのは難しいが、それ以外の一般的な情報についてのクチコミには、実に有用だ。

■匿名ソーシャルメディアの役割は終わった?

会員を減らし続ける匿名ソーシャルメディアの未来がどうなるのか、正直想像もつかない。mixiやgreeはアプリのプラットフォームとして生き残っていけるかもしれないが、人が集まらなくなればその価値も減少の一途だ。ターゲット広告メディアとしての価値も、実名ソーシャルメディアとは比べものにならないほどに低い。

Twitterは、有名人のツイートを見るか、発言をロックして仲間内でのおしゃべり用か、サイトの更新情報を受信するだけのRSS的用途以外に、先があるとは思えない。実際、これだけ騒動が多発しては、今後は企業内での利用も制限されていくだろう。

しかし、2chはそのままの姿でまだ続いていくだろう。情報は真贋取り混ぜ、多種多様に及び、真実を見極める眼さえあれば実に有用なメディアだ。マスコミは一面的なモノの見方を押しつけるし、実名ソーシャルは当たり障りのない話が中心。2chでは逆の面からそれを見ることができる。

テレビ、新聞、雑誌、インターネット――。情報が溢れんばかりの世の中で、真実の情報を見分け、それを如何に上手く活用していくかが大事であるのは、もう何年も前から言われていることだ。Facebookを上手く使うことができれば、情報の活用の手助けになってくれるかもしれない。そういう可能性を秘めたメディアだと思う。願わくは、ターゲット広告だらけ、という状況にならないことを。