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2010.10.16

スマートフォンは流行ってるのか?流行るのか?流行らないのか?

「スマートフォン時代到来」、「スマートフォン本格普及へ」などというタイトルがWebメディアを中心に踊っている。

事実「iPhone」はヒットしていると言えるだろうし、DoCoMoの「Xperia」や「GALAXY」、そしてCMがバンバン流れる「Android au」。

だが本当にスマートフォンは流行っているのか?、いや、流行るのか?



結論を先に言えば、「スマートフォンの普及にはもう1段階必要」だ。

「Android au」。子供と老人向けの携帯キャリアというイメージですっかり凋落傾向だったauが起死回生を目論んで打ち出した新戦略だ。と書いてしまっては、悪口にも程があると思われるかもしれない。だが残念なことにau、つまりKDDIは本当に宣伝販促が下手だ。

「Android au」の「Android」が何を意味するのか、分かる人はそんなにいないだろう。とくにこういったテクノロジーに興味のない人にとっては、「人工知能でも積んでるの?」と思われても不思議ではない。

だがこれは無理からぬ話で、「AppleのiOSに対抗するGoogleのAndroid OS」という形で多少話題になったからこそ知っている人もいるものの、では「Symbian OS」や「Nokia OS」という言葉を聞いたことがあるかと問われれば、大半の人は知らないと答えるだろう。

つまり、「Android au」のキャンペーンは大半の人にとって「新しい携帯が出るのね」程度の効果しかないばかりか、「高機能な端末を望まない」ユーザーを多く抱えるauが「逆方向に向かい出した」ように受け取られるだろう

さて、話をちょっと変える。
現在iPhoneを使ってるユーザーはどのような理由で買ったのだろう。想像でしかないが、「格好良いから(お洒落だから)」「話題だから」「新しいモノ好きだから」「もともとMac使い」「Appleが好き」など、色々理由があるだろう。

後者2つの理由のような「信者」はともかく、前者3つのような軽い気持ちでiPhoneを買った人に聞いてみたい。

本当にiPhoneを買って良かった?」「iPhoneって使いやすいですか?

おそらく「NO」が多いのではないだろうか。
もしくは、買ったことはまぁ悪くなかったけど、使いやすいとは言えない、くらいの返事が多いのではないか。何を隠そう私もそう答える。

  • 電話として使いづらい
  • 携帯コンテンツが使えない(モバゲーやmixiゲームのほとんど、また会員制の携帯コンテンツも軒並みダメ)
  • メールが使いづらい
  • 片手で操作できない

そんな返事が聞こえてきそうだ。
画面が広く、綺麗で、見やすい、という長所だけで、短所すべてを覆い隠してくれるほどに素晴らしいわけではない。
なにより携帯端末にとっての命は「使いやすさ」だ。

話があちこちに飛んで申し訳ないが、携帯のユーザー(というとほとんどすべての人と言うことになるが)を大雑把に分けると下記のような分類が出来るだろう。

数としては緑のいわゆる「ライトユーザー」が日本人のほとんどではないだろうか。
「携帯依存症」が問題になりかけたような時期もあったが、マスコミの煽りなので、実数は大した数ではないはずだ。
会社員が仕事で使う携帯なら赤の「電話として使う」というところに入るだろうし、学生や主婦層なら青の「メールやWeb、携帯ゲームなどを使う」ところに入るだろう。

ここからが本題。ではスマートフォンはこの中でどの層に売るべき、もしくは売りたいのか?

まず赤の「電話」として使う層には売れない
iPhoneをはじめとするスマートフォンの形は、電話で話すことを考慮に入れたデザインではない。使ってみれば分かる。「ホントに声聞こえてるの?」と心配になる。

青の「メールやWeb、携帯ゲームなどをバリバリ使う」層にもお勧めできない
iPhoneのメール(というかSoftbank的な問題かもしれんが)の使いづらさは驚くほどだ。なにより、片手で使えないというのは痛い。手が大きく指も長い私がそうなのだから、手の小さい人、とくに女性が片手でスマートフォンを操るのは困難だ。
そしてゲーム、とくにiPhoneでいうなら、無料ゲームはほとんどが有料版のお試しでしかない。「これ以上やりたいなら金払ってね」というものだ。「iPhoneならゲームがたくさん遊べる」というのは誤解、もしくは「お金を払えばね」という意味だ。

では非常に数の多い、緑の層、「そんなにバリバリは使わない」、「Webをちょっと見たり、メールを少しやる」位の層に売ればいいのか?。いやちょっと待って欲しい。ここの層の特徴でもあるが、口を揃えて、

高機能なものは要らない

と言うのだ。(本当に要らないのかは甚だ疑問だが)
機能に大金を払うのは当然嫌、というだけでなく、例え安くてもシンプルで使いやすいものを選ぶ傾向にある層だ。

従って、先ほどの図のようにユーザーを分類してマーケティングすることは無意味だ。まさにiPhoneを買った理由を想像したように、「格好良いから(お洒落だから)」「話題だから」「新しいモノ好きだから」「もともとMac使い」「Appleが好き」という層に売るしかないというのが、今のスマートフォンの現状だ。
DoCoMoがXperiaを売った時に、Android搭載の高機能スマートフォンとして売ったか?。否否。「ソニー製のお洒落な端末」として売ったのだ。ソニー信者と新しいモノ好きに向けて売ったと言い換えることも出来る。

では、そうではない一般の人、大多数の人にスマートフォンが普及するには何が必要なのか?。やっと本題だ。

それは日本市場に向けたパラダイムシフトだ。

難しく書いてしまったが、簡単に言えば、日本のユーザーに向けたスマートフォンの開発・発売が必要と言うこと。

日本の携帯は10年以上の月日を掛けて、日本人の使いやすいように改良されてきた。形も中身もだ。それを最近出てきた、しかも海外製の端末が取って代わろうといっても無理がある。

必要なのは、

  • 電話としての使いやすさ
  • 片手で操作できる形状
  • 今まで蓄積されてきた携帯コンテンツの継承(利用可能)
  • 日本人向きのメールや入力インターフェイス

だろう。

それはしかも、「高機能」が売りなのではなく、「使いやすさ」や「楽しさ」が売りでなくてはならない。今までの携帯が売れてきた理由と同じだ。

それじゃどんな形で、どんなインターフェイスならいいの?と聞かれても分からない。それは私が、まさに日本版スマートフォンへのパラダイムシフトを待っているだけのユーザーに過ぎないからだ。

ソニー、シャープはすでにスマートフォンを発売しているし、東芝も始める。あとはNEC、パナソニックあたりか。ともかく、長年にわたり、日本人に携帯端末を作ってきた、日本メーカーが本気で日本人向きスマートフォンを作ることが必要だ。

OSはAndroidでも良い。だが、端末そのものやインターフェイスを日本人向きに作ることが出来るのは、日本のメーカーだけだ。
携帯が売れないことを嘆くだけではなく、そういった新しいチャレンジを見せて欲しい。