« | »

2009.06.29

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」は「新たなムーブメント」なのか?

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」を見てきた。
壮絶なネタバレなので、ネタバレは止めろと言う人は見ないでください。


小説でもドラマでもマンガでもアニメでも、見る人によって受ける印象はそれぞれ。面白いつまらないも人それぞれ感じ方が異なる。だからこの後に書き綴る文章は俺一人の感想であり、他の意見を排他するものではない。あくまで私見なので、他人の意見なんぞ聞けぬという人はここでHPを閉じてもらいたい。そしてこのHPはコメントを受け付けないので、意見や反論も聞くことができないのでご容赦を。
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」を見終わって、昔を思い出すために頭を抱えた。
エヴァにハマったのはもう10年以上前。まだ20代の頃だ。テレ東の再放送を見て大ハマり。録画したそれをセリフを暗記するほどに見て、映画もすべて2回ずつ見たし、ビデオもDVDも買った。98年の「劇場版 DEATH (TRUE)2 / Air / まごころを、君に」まで、大いにハマり続けた。
その頃の俺はなんでエヴァが好きだったのかなぁ?と思い出していたのだ。
絵が綺麗だったから?。ストーリーが謎だらけだったから?。キャラクターに萌えてたから?。いやそうじゃない。「演出が好き」だったんだ。キャラクターの見せ方、ストーリーの見せ方。いや魅せ方と言った方がしっくりくるな。今までのアニメにない緻密な「物語の魅せ方」が好きだったのだ。俺を引き込み、信じられないほどの時間とお金を注ぎ込ませたのはエヴァンゲリオンの演出に心惹かれたからなのだ。
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」に関する事前知識はほとんど無かった。ただ庵野監督が「現在の閉塞した日本アニメ界に新たなムーブメントを起こしたい」という発言をしたということを伝聞し、大いに期待し、そして「序」を見たときにはひどく落胆した。「使徒がCGになってるだけじゃんか…」
そして今回「破」を見て、暗澹たる想いに打ちのめされた。
とくに目新しさはない。絵が綺麗になって、使徒の演出が派手になってるだけだ。
たしかに「演出」という意味で言えば、新しい使徒の演出は素晴らしい。素晴らしいCGだ。残虐なシーンの演出も、よりリアルになってるといえば言えるのかもしれない。でも俺が期待したのは、こんな演出ではない。ストーリーの演出なのだ。
最初リライトの話を聞いたときに俺が思ったのは、「ほとんど解明されなかった謎の答えを、別の角度から描いて見せてくれれば面白い」ということだった。だが、新劇場版は別の角度どころか、別のストーリーを持ち出してきた。これはなんだ?。
なぜストーリーを変えるのか、なぜアスカは式波なのか、なぜ新キャラなのか。その説明は欠片も無い。
もちろんまだ先を残しているので、もしかするとその答えは次作以降にあるのかもしれない。だが現段階では、この唐突な変更には違和感しか覚えない。以前の作品は無かったことになるのか?。注ぎ込んだ金を返せ!。
違うお話を作りたいのなら、まったく新しい作品を作ればいい。これでは単に「エヴァでもう一儲け」というようにしか見えない。
綺麗なCG。残虐なシーンのオンパレード。不自然な萌え新キャラ。エンターテインメント作品として割り切ってみることができるのなら、面白い作品だと思う。また、昔から見ていた人でも、別の作品として見ることができるなら受け入れられるだろう。
だが、俺には受け入れられない。Zガンダムのリライトの時にも思ったが、こんなものは製作者の壮大な自慰だ。
最後まで見なくては分からないので次も見ると思うが、庵野監督の言う「新たなムーブメント」が、金を注ぎ込んだだけの単なる派手なCGでは無いことを期待したい。新しいアニメーションの魅せ方はエヴァ後の様々なアニメが魅せてくれている。絵の綺麗さなんて大した問題ではないのだ。物語の魅せ方こそがアニメの命なのだ。