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2009.03.24

今なぜメディアはWindows 7をベタ褒めなのか

穿った見方のコラム。


その昔、「マイクロソフトが重いOSばかりを出し続けるのは、重いOSじゃないと新しいPCが売れないからだ」という話を聞いたことがある。もちろん何の根拠もない話で、新しいソフトウェアが新機能満載で重くなるのはOSに限ったことではない。
だがこの話は真理を含んでいると言える。
Windows Vistaが発売される前、そして発売された直後、メディアはこぞってVistaを取り上げた。紙、Webを問わず、Vistaの記事がメディアを賑わしたわけだが、その内容はほとんどが否定的なものばかりだった。
「重い」「使いにくい」「入れる必要がない」などなど。
それは否定的な記事ばかり。VistaやMSの悪口を書けばPVが増えるのであろう、特にWebメディアでの攻撃は熾烈を極めるものだった。
そもそも専門メディアの役割とはなんだろう?。もちろん読者に役立つ、正しい情報を伝えることが第一だ。それも面白い記事ならさらに良い。だがそれだけではないはずだ。
専門メディアの役割には、その業界をメーカーや業者とともに盛り上げ、「売る側」「買う側」そして「伝えるメディア」の3者が「Win」になるようにするということもあるはずだ。そうでなければメディアの意味は無い。
つまり専門メディアは、製品やサービスの情報を読者に正しく伝え、それを読んだ読者がニーズにあった製品を買ったりサービスを利用する。メーカーは利益が出れば、その利益を広告宣伝費としてメディアに落とすだろう。これが3者Winの関係だ。
では、これをVistaの場合に当てはめてみよう。
 専門メディアがこぞって悪口を言う
 ↓
 読者は買わない
 ↓
 MSは儲からない
 ↓
 PCも売れない
 ↓
 広告も出ない
このスパイラルで「Win」した者はいるだろうか?。
たしかに過激な悪口により多少のPVの増加はあったかもしれない。だが、長期的に見れば、Vistaが売れなかったことによる業界の打撃がとてつもなく大きなものだったことは説明の必要もないだろう。
このスパイラルでは、「読者がまったく得をしていない」ということもメディアはよく考えるべきだ。Vistaを買わずに済んだ、というメリットはあったかもしれない。しかし、プラスになる情報を得たわけではない。マイナスではなかったというだけにすぎない。
つまり、「Vistaの悪口をメディアが書き立てたことによって得をしたものは1人もいない」ということになる。
ちなみに「悪口」と書いたが、それは「嘘」ではない。実際Vistaは使いにくく、重く、入れるメリットは全くないと断言しても良いほどだ。使っている人のほとんどは後悔しているのではないだろうか?。無論、私もしている。
さて、前段が長くなったがここからが本題。今PC系の専門メディアでは「Windows 7」の話題が花盛りだ。どんな状況かといえば、それはもう「ベタ褒め」だ。
「Vistaより速い」、「使いやすい」といった話どころか「XPより速い」という話まで見かける。
本当に??。
そう思ってしまう。穿った見方をすれば、「Windows 7と新しいPCが売れてくれなければメディアが困るので褒めてるんじゃないの?」と。
XPを使っている人がWindows 7を、そしてついでに新しいPCを買えば業界は潤う。当然、それにともなってPC専門メディアも潤うことになるだろう。逆にこのままPCが売れない状況が続けばメディアもどんどん消えていくことになるだろう。そこに気付いたメディアが無理矢理Windows 7を褒めてるんじゃないのか?、とね。
こうして穿って見ると、情報が信じられなくなる。重要なのは正しい情報を見抜く目だろう。
たとえば、Windows 7をPCにインストールする。サクサク動くだろう。それはある意味当たり前のことで、アプリケーションをなにも(アンチウイルスソフトさえ)入れてない状態で遅いわけがない。Vistaだって最初に使い始めた日はそれほど遅さを感じないのだ。
高性能な速いPC(そう、Core 2 Quadや、Core 2 DuoのE9000シリーズのような速いCPUを積んだ最近のPC)でWindows 7を使っても、おそらくXPとの差は体感できないだろう。それをもって、「Windows 7はXP並に速い」と言われても、嘘ではないだろうが正確ではない。
今XPが動いているようなPC、Pentium4やCeleronを積んだPC、あるいは何年か前のノートPCでWindows 7を動かしてもそれでも速いのだろうか?。そういった情報がほとんど無いというのが実情だ。(見つけられていないだけかもしれないが)。漠然と「Windows 7は良い」と言ってるだけの記事が多いような気がする。
本当にWindows 7は使いやすい素晴らしいOSなのか?。それを教えてくれる専門メディアがWebなり紙なりで出てくるのかは分からない。結局は使ってみなければ分からないのかもしれない。(βを使ったが、良さは全く分からなかった)
そしてこのコラムにはなんの結論も無い。個人的には、軽いOSでなければ実用に耐えない。会社で使っているVistaには本当に泣かされ続けている。だから、Googleが軽いデスクトップOSを出してくれないかなぁと心から待ち続けているのだ。AndroidがデスクトップPC用のディストリビューションとして追加されるその日を。