ドサージュ理論の説明
ドサージュ理論の説明
その馬の4代血統表を利用して、距離適性等を数値化する血統理論。
優秀な成績を残している種牡馬を「シェフ・ド・ラス サイヤー (CHEF・DE・RACE Sires)」として5つのカテゴリーに分類。
シェフ・ド・ラス サイヤーが血統表のどの位置にいるかを利用して、距離適正やスピードを数値化して表す。
シェフ・ド・ラス サイヤーは5つのカテゴリーに分類されている。
Brilliant | 素晴らしいスピードを持ち、短距離に向いている。 |
Intermediate | 優れたスピードと、ある程度のスタミナを持ち、短・中距離に向いている。 |
Classic | 優れたスピードと優れたスタミナのバランスがとれていて、2400mに向いている。 |
Solid | 優れたスタミナと、ある程度のスピードを持ち、中・長距離に向いている。 |
Professional | 素晴らしいスタミナを持ち、長距離に向いている。 |
という5つと、その中間(BとI、IとC、CとS、SとP、BとC、IとS、CとP)の、正確には12のカテゴリーに分類されている。
4代血統表の中で、シェフ・ド・ラス種牡馬が、1代前(父親)にいればそのカテゴリーに16ポイント、2代前は8ポイント、3代前は4ポイント、4代前は2ポイントが加算される。
中間の種牡馬の場合は等分される(BとIの中間の種牡馬が2代前にいればBに4ポイント、Iに4ポイント加算される)。
例えば、1997年凱旋門賞の勝ち馬、「PEINTRE CELEBRE」の場合、(牝馬は割愛)
(黄色のところがシェフ・ド・ラス種牡馬)
Nureyev(C) | Northern Dancer
(BとCの中間) |
Nearctic | Nearco(BとCの中間) |
Native Dancer (IとCの中間) |
|||
Forli(C) | Aristophanes | ||
Nantallah | |||
Alydar(C) | Raise a Native(B) | Native Dancer (IとCの中間) |
|
On-and-ON | |||
Habitat(B) | Sir Gaylord (IとCの中間) |
||
Le Haar | |||
というようになり、B-I-C-S-Pの順に表記され、「13-3-36-0-0」という形になり、
これをDOSAGE PROFILE(DPと略される)と呼ぶ。
要は数字がBやIに偏っていればスピードよりの血統構成、SやPに偏っていればスタミナより、Cを中心に均等ならバランス型ということになる。
PEINTRE CELEBREは2400メートルに向いているが、素晴らしいスピードもあるということになる。ただ、あまり長距離には向かなそう。
凱旋門賞をレコード勝ちし、仏ダービー、パリ大賞典に勝っている名馬。数値も素晴らしい。
また、DP値の合計が多いほど、(欧米の)主流血脈に近いということになる。
DOSAGE INDEX (DI)
(B+I+1/2C)÷(1/2C+S+P) = Dosage Index
数値が大きいほどスピードタイプ。
「PEINTRE CELEBRE」の場合
(13+3+18)÷(18+0+0)= DI=1.89
なので、PEINTRE CELEBREの血統は、スタミナ血統の1.89倍のスピード血統を持っている、ということになる。
CENTER of DISTRIBUTION (CD)
{(B×2+I)-(P×2+S)}÷DPのTOTALポイント = Center of
Distribution
+2.0から-2.0の間で、+2.0に近いほど、Brilliant。-2.0に近いほどProfessional。0がClassicということになる。(+1.0はIntermediate、-1.0はSolid)
「PEINTRE CELEBRE」の場合
{(13×2+3)-(0×2+0)}÷52 = CD=+0.56
なので、PEINTRE CELEBREの血統はIntermediateとClassicの中間ということになる。
が、将来この馬が種牡馬として大成すればIntermediateとClassicの中間というよりはBrilliantとClassicの中間に分類されると思う。
2004/5/5追加訂正